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二傳は初代の魚屋に始まり、長く仕出しを専業とする時代を経て、現在の屋形の仕事を兼ねる店まで、創業から250有余年の間、少しずつ少しずつ変化をして参りました。その背景には、西陣、室町をはじめとする京都の繊維商家、またこの中京の町に住まいされる人々の暮らしの移ろいとも無関係なことではありませんでした。

料理を作るという我々の仕事全般に言うことができますが、お客様に何かしらの場面や背景が無く、我々がご用(ご注文)をいただくことはありません。
それはお家の慶事であったり、また弔事であったり、客人をお招きされるであったり、お祭りにお使いの事であったり、もっと単純にお家のお商売が忙しいので、仕出しを取られたり、お店にお出でいただいていた時代もあったでしょう。

お客様にはお客様百人百様の場面があり、そのお客様の場面、場面にあつらえた仕事をする。これが仕出し、また料理屋の仕事の本質、理想であると、私は考えています。
これは料理を介して、我々もお客様と共に喜び、また共に悲しむということです。

まだまだ至らぬ点も多く、お客様から時にお叱りを受けたり、また稀にお褒めも頂いたり。そうする中で二傳の味は磨いて行かれました。

二傳の料理は、この町に育てられた、この町の味がします。
二傳をお客様の生活の一部として組み入れて頂いてきたことへの感謝とともに。

 

九代店主 山田章二

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